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しろありの羽ありとアリの羽アリの違い |
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しろありは形や大きさ、生活様式もアリに似ているので、アリの一種だと誤解をされやすいのですが、アリとは全く違った種類の昆虫です。昆虫分類学上、しろありは飛翅目に属し、一方アリは膜翅目に属するのです。
しろありは3億年も昔の古生代の石炭紀に木材を食べるゴキブリの先祖から分化したものでアリよりゴキブリと近縁な昆虫なのです。 |
しろあり(翅が4枚とも同じ大きさ) |
アリ(翅の大きさが違う) |
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し ろ あ り |
ア リ |
一般形態 |
触角 |
数珠状 |
「く」の字状(雄では「く」の字状でない種類もある |
腹部 |
胸部と同じ幅で、基部が細くくびれることはない |
腹部の基部が著しくくびれている。 |
体色 |
職蟻は乳白色。兵蟻は頭部のみ黄褐〜褐〜黒色で、他の部分は乳白色。有翅虫は黄赤〜黄褐〜褐〜黒色。 |
黄褐〜褐〜黒褐〜黒色 |
有翅虫 |
翅の形状 |
前翅と後翅はほぼ同形同大で、翅脈は細くて多い |
前翅が後翅より大きく。翅脈は太くて少ない。 |
切離線 |
翅の基部近くに切離線がある。 |
切離線はなく、翅は根元から脱落する。 |
翅の動き |
前・後翅の4枚は別々に動く |
前翅と後翅が鈎でつながり、1枚の翅のように動く。 |
職蟻と兵蟻 |
眼 |
眼のない種類が多い |
複眼と単眼があるのが普通。 |
性 |
生殖能力のない雌と雄(1:1) |
生殖能力のない雌。 |
兵蟻の有無 |
ごく少数種以外は基本的に保有している(兵蟻は職蟻と著しく形態を異にする) |
兵蟻階級をもつ種は少ない(兵蟻は職蟻を大きくしたくらいで、特別の形態をしていない) |
生態 |
交尾 |
翅を落とした後、営巣して巣の中で行う |
翅のあるままで行い、その後、雄は死んでしまう。 |
営巣 |
雌雄で行う |
雌のみで行う |
女王と王 |
巣の中には、常に女王と王がいる。 |
巣の中には女王だけで、王はいない。 |
変態 |
不完全変態(卵→幼虫→成虫) |
完全変態(卵→幼虫→蛹→成虫) |
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しろありの特徴 |
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ヤマトしろあり |
イエしろあり |
分 布 |
北海道北部を除いて日本全土 |
神奈川県以西の海岸に沿った暖温な地域 |
有翅虫 |
体長 |
4.5〜7.5o |
7.4〜9.4o |
体色 |
黒褐色 |
黄褐色(頭部は暗褐色) |
郡飛時期 |
4〜5月の昼間 |
6〜7月の夕方〜夜 |
兵 蟻 |
体長 |
3.5〜6.0o |
3.8〜6.5o |
体色 |
淡褐色 |
淡渇色 |
頭部の形態 |
円筒形、左右両縁平行、体長の1/2の長さ |
卵形、体長の1/3の長さ |
巣 |
加害箇所が巣を兼ねており、特別に加工した巣はつくらない。 |
特別に加工した塊状の大きな巣をつくる。 |
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ヤマトしろあり、イエしろありの仲間 |
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地下や湿った木の中に巣をつくります。色を薄く、体の軟らかいこのシロアリは特徴的な触角をもっています。いくつかの種は木材の害虫です。 |
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ヤマトしろありの生活環 |
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